Maivin - モジュール式フルスタックAIビジョンシステム
Maivinは、 AIビジョン製品のプロトタイプから製造までの開発過程を加速化し、保守管理と無線(OTA)アップデートをシンプルにします。 ToradexのVerdinコンピューターモジュールを基盤に設計されたMarvinにはNXP i.MX 8M Plusアプリケーションプロセッサーが搭載されており、2.3 TOPSのニューラルネットワークプロセッサーが内蔵されています。Maivinは、カメラセンサー、エンクロージャー、接続性、マシンラーニングのツールチェーンから遠隔アップデート、保有デバイス群の管理までフルスタックで対応します。Maivinを利用すれば、エッジにおける最新のオンデバイスAIを簡単に実現できます。 Maivinは、Au-Zone、Vision Components、Toradexによる緊密なコラボレーションから生まれました。

アプリケーション
農業
Maivinには、防水エンクロージャーとコネクターのオプションがあり、厳しい野外環境にも適した設計となっています。デュアルCANバスインターフェースを備え、幅広い入力電圧に対応するため、トラクターやトレーラーへのアプリケーションに最適です。NPUの最適化により、能動的冷却がなくても幅広い温度下での低電力動作を実現します。HDRに対応する高品質なソニーイメージセンサーから選択可能で、野外の厳しい環境でも優れた画質を実現、オプションのセルラーモデムにより野外での接続性を提供します。
ロボティクス
堅牢かつコンパクトなフォームファクターとEtherCat、TSNやRS-485などの産業向けインターフェースを備えたMaivinは、ロボティクスのアプリケーションへ導入にも適しています。800 MHzで動作する高性能のCortex-M7マイクロコントローラーが搭載され、複雑なリアルタイムのコンピューティング処理もこなせるシステムとなっています。また、Torizonを利用することで、一般的なロボティクスのフレームワークも容易に統合できます。無線(OTA)アップデート対応も内蔵されているので、安全性の向上と保守管理の合理化を実現し、ニューラルネットワークプロセッサーは消費電力の増大という代償なしに高い性能を提供します。
産業オートメーション
高性能ディープラーニングのインターフェース機能が、センサーに近いところで最新のエッジコンピューティングソリューションを提供し、最高の信頼性とレイテンシーの最小化を実現します。小型かつ低価格なMaivinは、工場のあらゆる場所への導入が可能です。RS-485やオプションで追加可能な2つ目のイーサネットポート、さらにEtherCatとTime-Sensitive Networking(TSN)規格への対応により、最重要なオートメーション機器との統合を素早く簡単に行えます。Wi-FiやBluetoothが、ネットワークやセンサーへの接続性をさらに強化します。Maivinは、産業グレードのコンポーネントを利用して設計されており、連日24時間の稼働に適しています。
ヘルスケア
Toradex製品は長期に渡り入手可能なうえ、製品変更プロセスもよく管理されており、Maivinはヘルスケアのアプリケーションに大変優れた選択肢です。ECCメモリや頻繁に提供されるサイバーセキュリティーアップデートなど、ハードウェアとソフトウェア両方の側面から、安全性とセキュリティーを提供します。小型で、カメラ方向も変更可能なシステムは、小さな医療機器または実験装置へも統合できます。モジュール式のカメラと光学装置により、それぞれのアプリケーションに合わせてMaivinを最適化することも可能です。
ハイライト
実稼働環境に対応する高品質ハードウェアとソフトウェアのコンポーネントを基盤としたフルスタックの統合型ソリューションが、スマートビジョンソリューションの迅速なプロトタイプ、実地テストと検証の実施を可能にします。モジュール式設計となっているため、さまざまなユースケースやアプリケーションに合わせ、代替のイメージセンサーモジュール、I/Oインターフェース、エンクロージャーやコネクターを利用して簡単にカスタマイズできます。
設計の検証後は、入手可能なコンポーネントを利用することで、迅速に製造段階へ移り、サプライチェーンの遅延によるコスト増も回避できます。この際、アプリケーションレベルのソフトウェアと主要コンポーネントに対するサービスもご利用いただけます。モデル改善、遠隔アップデートや保有デバイス群の管理など、お客様の設計を実地でサポートします。
システムの主要パーツはすべてモジュール式です。一般的なソフトウェアやハードウェアシステムを活用すると同時に、ユースケースに合わせたシステムの最適化が可能です。
Maivinには、カメラセンサー、演算処理ハードウェア、エンクロージャー、オペレーティングシステム、ディープラーニング最適化や開発ツールから保有デバイス群の管理まで、あらゆるものが含まれています。
Maivinは、数分の内に利用し始めることができます。フォームファクターやエンクロージャー、柔軟なマウントにより、デスクの上で開発するだけでなく、システムを実際に設置することも可能です。TorizonおよびeIQ DeepViewがさらにプロセスを簡易化して、プロジェクトの進行を推進します。
中核をなすコンポーネントはすでに量産に対応しています。システムオンモジュール、カメラセンサー、エンクロージャー、背面コネクターは、ユースケースに最適なものからお選びいただけます。そのほかのカスタマイズが必要な場合はお問い合わせください。
Maivinは、Torizonプラットフォームでサポートされており、頻繁なアップデートとシームレスに統合された遠隔アップデートおよび保有デバイス群管理のオプションを備えた、最新の組み込みLinuxオペレーティングシステムを提供します。最新の開発ワークフローとシンプルな保守管理に向けて最適化されています。
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ハードウェア

- NXP® i.MX 8M Plusアプリケーションプロセッサー
- 4x Cortex-A53 1.8 GHz
- Cortex-M7 800 MHz
- 2.3 TOPS ニューラルプロセッシングユニット(NPU)
- イメージシグナルプロセッサー(IPS)
- 4 GB RAM / 16 GB フラッシュ
- 802.11ac Wi-FiおよびBluetooth 5
- Verdinファミリーとのピン互換性
- 2x MIPI CSIカメラインターフェース
- モジュール式コンパクト設計 - 実稼働環境に対応
- ワイヤレスモデム用M.2コネクター
- デュアルLEDフラッシュドライバー
- デュアルトリガー / フラッシュシグナル - 同期用
- Power over Ethernet(POE)オプション
- I2C SPIデバイス用拡張コネクター
- Au-Zoneによる設計
- RS-485
- CAN
- 12V電力
- RJ-45 GigEイーサネット
- 隔離されたI/O
- M12、WLAN、POE、ご要望によりカスタムI/Oに対応
- VC MIPI IMX327-C*
- 1/2.8” CMOSセンサー、カラー、ソニーStarvis
- 1920 x 1080 ピクセル、2.1 MP
- 60 fps、ローリングシャッター
- 広範な種類の代替カメラモジュール
*(現行サンプルにはOnSemi AR0521 5MPローリングシャッターカラーセンサーが搭載されます)
- パイロット導入に即対応
- 標準トライポッドマウント
- 容易なハードウェアへのアクセス
- 防水エンクロージャーおよびカスタムエンクロージャーのオプション
ソフトウェア
Maivinでは、数分の設定を行うだけでソフトウェア開発に集中できます。Maivinはフルスタック対応となっており、開発作業をサポートします。

Torizon OS
Torizon OSは使いやすい産業組み込みLinuxシステムです。そのまま使えるこのシステムはToradexが保守管理しており、頻繁にアップデートが提供されます。Torizonは、純粋なディープラーニング以外にも、幅広い種類の開発ツールやフレームワークとの統合が可能です。UI、Soft PLC、モーター制御またはウェブインターフェースが必要な場合は、Torizonのエコシステムがお客様をサポートします。Torizonには、最良なパフォーマンスと迅速な市場への展開の実現に必要なドライバーも含まれています。
カメラおよびISPのサポート
Vision Componentsとの提携により、Torizonは、カメラとi.MX 8M Plusのイメージシグナルプロセッサー(ISP)へのサポートを統合し、カラー調整、ジオメトリー補正、HDR、ガンマ補正などそのほか多数の高度なイメージ前処理を可能にします。
無線(OTA)アップデート
Torizonプラットフォームには、オートモーティブグレードの堅牢で安全な遠隔アップデートシステムが含まれています。完全に統合されているので利用は簡単です。最悪な形で電力を失った場合にも安全性を確保できるよう設計されています。ニューラルネットワークをアップデートするだけでなく、アプリケーションやオペレーティングシステムのアップデートも可能です。
保有デバイス群の管理
Torizonには、保有デバイス群の管理システムも含まれているため、展開済みシステムのステータスを確認できます。利用しやすいウェブユーザーインターフェースで、概要の確認、デバイスの管理、アップデートの開始、入力の取得を行い、継続的な製品改善が可能になります。

eIQ Portal™は、i.MX 8M Plusのニューラルネットワークプロセッサー(NPU)のマシンラーニングモデルをトレーニング、検証、最適化するためのGUIベースの無償開発ツールです。設計ワークフローは、既存のトレーニング済みモデルのインポート、または導入に向けたモデルのトレーニング用データのインポートに対応します。


DeepViewは、DeepViewRTランタイム推論エンジン用に最適化されたeIQワークフローの拡張機能に対応しています。統合型ソリューションは、i.MX 8M Plus内のハードウェアアクセラレーションコアを活用するよう最適化されており、最大限の性能と拡張された機能を実現します。これには、ビジョンプロセシングパイプライン、カスタムモデルおよびアプリケーションレベルのソリューションが含まれます。Au-Zoneのエンジニアリングサービスで標準モジュールを補完して、カスタムのソフトウェアまたはハードウェアを導入することも可能です。
ロードマップ
最終バージョンとの主な違いは、サンプルではSonyセンサーの代わりにOnSemi AR0521 5MPローリングシャッターカラーカメラセンサーが利用されていることです。これは、新しいISPドライバー開発に取り組んでおり、これはメインラインにできるのですがまだ開発が終了していないためです。AR0521には内蔵型のISPが搭載されており、このドライバーが必要ありません。
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