新規リリース: TorizonCore 6.1.0 四半期リリース

2023年1月23日月曜日
Torizon

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Toradexシステムオンモジュール向け、TorizonCore 6.1.0 四半期リリースが公開されました。

TorizonCoreは、組み込みLinuxソフトウェアの開発とメンテナンスをシンプルにするDevOpsプラットフォーム、Torizonを支えるオペレーティングシステムです。TorizonCoreは、高い信頼性を必要とするデバイスでそのまま使用できるように設計されているので、オペレーティングシステムの構築とメンテナンスに気を取られることなくアプリケーション開発に集中できます。

Torizonはソフトウェアコンテナを使用するため、安全かつメンテナンスを実施しやすい形で、簡単に機能をシステムに追加できます。Torizonは、コンテナにおけるハードウェアアクセラレーションとグラフィカルユーザーインターフェースをサポートします。

このリリースには以前の6.x.y TorizonCore リリースのすべての更新内容が含まれます。

更新内容とハイライト

TorizonCore
Debianパッケージとコンテナ
  • Portainerバージョンを2.14.2から2.16.2に引き上げ
  • Debian Bookworm
    • Debian Bookworm向けToradexパッケージフィードがリリースされました。これにより、Torizon用Debian Bookwormコンテナのリリースが可能になります。
    • メジャータグバージョンを数字の3とする、Torizon用Debian Bookwormコンテナがリリースされました。Toradexのドキュメンテーション、IDE拡張テンプレート、TorizonCoreのコンテナタグ用環境変数、cross-toolchainやブラウザなどそのほかのコンテナはまだ更新されていません。タグについて詳しくは、TorizonCore Containers Tags and Versioningを参照してください。また、以前の月例リリースノートでも説明したとおり、Debian Bullseyeコンテナ(タグメジャーバージョン2のもの)は動作しますが、TorizonCore 6ではサポートされません。このため、できる限り早期にアップグレードすることが推奨されます。
  • パッケージの更新
    • NXP 5.15 BSPに基づいてパッケージを再ビルドしました。wayland-protocols, linux-imx-headers, weston, gstreamer-imx.
そのほかの更新内容
用途

四半期リリースは本番環境グレードのリリースです。一部のドキュメンテーションとツーリング機能はまだ開発中です。このため、用途に制限があります。これらのコンポーネントが更新され次第、TorizonCore 5シリーズでサポートされるすべてのワークフローを使用できるようになります。これについて詳しくは、次のセクションで説明します。

このため、TorizonCoreを本番環境で使用している場合はリリース5.7.0を使用し続けることを推奨します。一方、評価または開発段階にあって制限が妨げにならない場合は、この四半期リリースに移行することを推奨します。ツーリングが更新されるまでBullseyeコンテナを利用している間にも、新しいVS Code Extension v2 - ApolloXを使用できます。

全般的な考慮事項
  • Torizon用Debianコンテナ
    Debian Bookwormコンテナは、メジャータグ「3」でDocker Hubに公開されました。これは、このリリースでサポートされているすべてのSoMで動作するはずです。これらは、次の理由からそのままでは利用できません。
    • ドキュメンテーションはまだ更新されていませんが、一部の変更によりグラフィカルコンテナの起動が妨げられます。
    • VS Code Extension v2 - ApolloXテンプレートは、まだDebian Bullseyeコンテナを使用しています。
    • TorizonCoreではコンテナタグ用環境変数がまだ更新されていません。このため、Toradexのドキュメンテーションの多くの箇所で指示されているとおりにこれらを利用してコンテナを実行すると、Debian Bullseyeコンテナを実行することになります。
    • debian-cross-toolchains、chromium、cog、rt-validation、debian-dotnet-development-imagesとsamplesコンテナは、まだDebian Bookwormへと更新されていません。
    • gstreamer-plugins-base、gstreamer-plugins-good、gstreamer-plugins-bad、chromiumとopencvのNXPダウンストリームパッケージはまだリリースされていませんでした。

    Debian Bullseyeコンテナは検証済みであり、動作するはずです。このためTorizonCore 6の早期採用は可能かもしれませんが、ToradexではTorizonCore 6用Bullseyeコンテナの定期的な更新および検証は予定していません。ツーリングとドキュメンテーションがBookwormコンテナ用に更新され次第、それらを使用してください。

  • VS Code IDE拡張
    TorizonCore 6のサポートは、現在Toradex LabsにあるTorizon VS Code Extension v2 (ApolloX)に追加しているところです。VS Code v1.xシリーズからの移行ガイドは、間もなくリリースされます。

    これには、まだDebian Bullseyeコンテナが使用されており、開発用途で正常に動作することが予測されます。ASP.NETなど、IDE 1.0の一部のテンプレートはまだ入手できませんが、一方で他の言語やフレームワーク用の新しいテンプレートは入手できます。テンプレートには、ダウンストリームベースのモジュール向けハードウェアアクセラレーションのコンテナは含まれていないことにご注意ください。
    複数のコンテナの同時デバッグへの対応など、v2には嬉しい新機能があります。制限のこともありますので、皆様から早期にフィードバックを頂けることを楽しみにしています。

  • TorizonCore Builder
    TorizonCore 6でのTorizonCore Builder(TCB)のサポートは追加しているところです。これに加えて、デバイスツリーとデバイスツリーオーバーレイワークフローの見直しを計画しています。これらは、TorizonCore 6で動作しない、あるいは動作しない可能性があることが知られているリソースです。
    • カーネルモジュール:TCBは、TC 5のtoolchainを使用して外部カーネルモジュールをビルド、適用します。このため、カーネルモジュールが正常に動作しなくなる可能性があります。TorizonCoreビルダーの次のリリースでtoolchainが更新される予定です。
    • Toradexサーバーからイメージをフェッチ:buildコマンドは、toradex-feedプロパティで入力イメージを設定できる、YAMLファイルを入力として受け取ります。TorizonCoreビルダーは、Toradexサーバーからイメージをフェッチする、「イメージのダウンロードコマンド」も提供します。しかし、TorizonCore 6にはこれらの機能の動作を阻害する問題があります。これを使用することはできませんが、イメージを手動でダウンロードする、あるいはイメージのURLを入力として使用することは可能です。TorizonCoreビルダーの次のリリースでは、TorizonCore 6でこれらの機能がサポートされます。現在はTorizonCoreビルダーの早期アクセスバージョンを使用できます。詳しくは、Communityでお問い合わせください。
    • デバイスツリーのチェックアウト: the 「dt checkout」コマンドは、TC 6ではサポートされておらず、まったくサポートされない可能性があります。現在、バージョン依存性の回避メンテナンスの容易さを重点としてこのワークフローを検討しています。周辺機器の評価には、overlays.txtファイルを編集できます。開発と本番ワークフローには、dt checkoutコマンドの代替としてGitを直接利用することを検討しています。確認が終わり次第、関連するドキュメンテーションをリリースします。
  • Bootloader、リモートおよびオフライン更新

    Torizonアップデートを使用した、TorizonCore 5からTorizonCore 6へのリモートまたはオフラインのアップグレードは、まだサポートされていません。アップグレードするよう助言されるまで待つ必要があります。それまでは、TorizonCore 5.xリリース間のみ、またはTorizonCore 6.xリリース間のみでアップデートを行い、両者を混合しないでください。 Torizon リモートOTAまたはオフライン更新を使用して5.xから6.xにアップグレードするには、bootloaderの更新が必要です。TorizonCoreではBootloader更新はデフォルトで有効化されていますが、Torizon Platform Servicesには依然bootloaderパッケージが含まれていません。それらが公開されると、デフォルトそのままでbootloader更新を実行できるようになります。これにより、パッチリリース5.7.y(未リリース)を通じてTorizonCore 5.7.0から6.xへのアップグレードを実現させることができます。早期検証にご興味をお持ちの場合は、お問い合わせください。
    Bootloader更新を可能にするTorizonCore 5のパッチリリースが計画されています。TorizonCore 6へのアップグレードを行うには、まずすべてのユーザーがこの新しいパッチリリースにアップグレードする必要があります。ワークフローは次のようになります。

    • TorizonCore 5.7.0 → TorizonCore 5.7.x パッチリリース → Bootloader更新 → TorizonCore 6

    この機能がリリースされ次第、正式なドキュメンテーションを提供します。

また、TorizonCoreは、Yocto Project向けToradex BSPレイヤーの上にビルドされています。この四半期BSPリリースは、5.7.0 LTSと比較して完全機能が備わっていません。BSPレベルでのハードウェアサポートや機能が、TorizonCoreの機能に影響を与える可能性があります。詳しくは、Yocto Project用BSPレイヤーとリファレンスイメージのリリースのニュースを参照してください。

そのほかの更新内容についてはリリースノートを参照してください。

ハードウェアサポート

四半期リリースの本番環境での利用は、Volume productsのみで、それらがTorizonCoreでサポートされている場合に限定されています。

  • 量産製品:Apalis iMX6、Colibri iMX6DL、Colibri iMX7D 1GB
    これらのモジュールでは、このリリースを本番環境で利用できます。
  • サンプル製品:Apalis iMX8、Colibri iMX8X、Verdin iMX8M Mini、Colibri iMX6ULL 1GB、Verdin iMX8M Plus
    サンプル製品のハードウェアステータスに基づき、このリリースは開発環境向けとなります。
    Verdinでは第2世代のVerdin製品のみがサポートされます。
  • Apalis iMX8とColibri iMX8Xのサポート

    これらをサポートしている最終リリースは、TorizonCore 5.7.0四半期リリース - LTSです。
    これらは、次のリリースでサポートされます。

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